アラフィフおやじ、無職になる。

20年従事した仕事を辞め、野に放たれたアラフィフおやじの日々徒然。

アラフィフおやじの入院生活 ③

寝られない・・・。

ICUってのは真夜中であろうと私のようなのが運び込まれてくるわけで、中々に騒々しい。
何らかの機械音、ナースコール、なんか呻き声・・・。
意外と神経が細いおっさんは全く寝つけない。

そのうちさっきまですっかり痛みがなくなっていた胸のあたりになんだか違和感。
それが気になってますます眠れない。

結局眠れないまま朝6時の起床時間を迎える。

起床時間と共にベッドの位置を移動することになったのだが、このICUがどの程度の広さがあって自分がどのあたりに移動したのか全くわからない。
そこは窓もなく、見える位置には時計もないので時間の感覚も全くない。
体を起こすことも禁じられ、ベッドもフラットな状態でいなければならないので、とにかく目に入るのは天井だけ。

これはなかなかツライ・・・

一睡もしていないのだから眠れそうな気もするが、これが全然眠れない。
ウトウトはするのだが、周りの状況が熟睡を許さない。
ただただゆっくりとした時間だけが流れる。
そして真夜中に感じた胸の違和感もまるで消える気配がない。
むしろ少し痛みが増してる・・・?

午後になり妻からの報告を受けた母が妻と共に面会に来た。
ちょうどそのタイミングで胸の痛みがさらに増しナースコール。

「一番痛かった時が10だとして、今の痛みはどれくらいですか?」

昨日運び込まれた時から何度も聞かれたこの質問。
喉元過ぎれば熱さ忘れるのが人間。もはやこれがどれくらいの痛みなのかわからなくなっている。
ただ、最初の痛みに近い気がする。大きく息を吸うことができない。

大きく息を吸おうとすると刺すような痛みが胸を襲うので、細かく小刻みに息を吸おうとする。
これが過呼吸を引き起こす。
過呼吸により手がしびれてくるのだが、これが精神的にものすごく怖い。
なんというか「連れて行かれる感じ」がするのだ。

過呼吸になってるから大きくゆっくり息を吸ってと看護師さんは言う。
無理。吸えない。痛い。痛い。痛い。手がしびれる。怖い。怖い。怖い。

そして2度目の緊急カテーテル手術が行われることになった。